商品の豆知識 Trivia
充填した後の温度変化
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セメントは反応によって発熱します。
この発熱がコンクリートの場合に問題になることがあります。
最小寸法が80cm以上の断面をもつ部位のコンクリート打設をマスコンクリートといいます。(マス(mass)は塊の意味です)
マスコンクリートの問題は、発熱によって温度上昇が激しくなり、その温度上昇の時の膨張や冷却の時の収縮で歪が生じひび割れが発生します。
そのためマスコンクリートの場合に、発熱が抑えれる低発熱タイプのセメントが使用されます。
アドサーモ、サーモコンでもセメントの反応に伴う発熱があります。
ただし、気泡によって歪は緩和されますのでマスコンクリートのような問題は起こりにくくなります。
空洞充填の場合の発熱で問題になるのは、例えば空洞内に配管があり、かつその配管が樹脂製である場合、熱による劣化が心配になります。
そこで、アドサーモ・サーモコンの温度上昇を測定しました。
試験的に大容量の注入をすることが難しいため、厚さ5cmの発泡スチロールで30cm立方の断熱性の型枠を作成し、その中心の温度を測定する方法を採ります。
打設時の温度を10℃、15℃、20℃、25℃、・・・60℃に変えて注入し温度の推移を測定しました。
使用したセメントは普通ポルトランドセメントです。
その測定の結果が下のグラフです。
打設時の温度が高いと温度上昇も早く数時間で最高温度になります。
まずあり得ませんが60℃や50℃で注入すると最高温度は75~80℃以上になります。
通常の打設温度10~30℃では最高温度に達するのに12~30時間を要し、最高温度は50~60℃です。
配管で一般的に使用される硬質ポリ塩化ビニル管の耐熱は71~85℃(連続常用温度は80℃以下)、ポリエチレン管の耐熱は82~100℃、常用温度は管径によって多少変わりますが80~85℃といわれています。
したがって、アドサーモ、サーモコンでは通常の打設温度で製造して頂ければ、樹脂製配管に熱的な影響はほとんどありません。