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品質管理方法 その4 膨張試験
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随分間が開いてしまいましたが、前回お話ししたように品質管理試験は、
(1)膨張試験 初期状態の測定
(2)フロー試験
(3)圧縮試験用サンプルの採取
の順番に行うのがいいです。
今回は膨張試験の方法について説明します。
使用する道具は①1リットル容量のメスシリンダー、②キッチン用ハカリです。
メスシリンダーはPP(ポリプロピレン)製をお勧めします。通称ポリシリンダーと言われています。
プラスチック製でもよいのですが、落とすと割れます。
ガラス製はプラスチック製と同様に割れやすく、また使っているうちにアルカリによって透明性が失われていきますので、できるだけ使用しないでください。
手順1 メスシリンダーに採取したスラリーを約500ml入れます。(きっちり500mlでなくてもいいです。入れた容積を記録してください。)
手順2 メスシリンダに入れたスラリーの重量を測ります。(重量を記録 風袋引きを忘れずに)
ここまでおこなったらフロー試験と圧縮試験体作成(別の回に説明します。)を行います。なにせ素早く試験を行わないと膨張が始まってしまいますので。
フロー試験と圧縮試験体作成が終わったら、
手順3 日陰で風の当たらないところに静置します。冬場の測定の場合は、冷気に曝されないように段ボール等で囲うと良いでしょう。
手順4 1~2時間後に膨張後の容積を測ります。(冬場は3~4時間)
試験後は、スラリーを硬化する前に廃棄してください。メスシリンダ内で硬化すると洗浄が厄介になります。
この試験で測られる数字は3つ。
1)メスシリンダーに入れたスラリーの重さ(g)
2)メスシリンダーに入れた容積(ml)
3)膨張後の容積(ml)
記録したデータを元に計算して膨張量および空気量を出しますが、それは別回で説明します。