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怖ろしいフッ化水素
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ちょっと前の話ですが、輸出管理の優遇措置うんぬんで話題になったフッ化水素の話です。
話と言っても政治経済の話ではなく、フッ化水素という材料についてです。
フッ化水素は半導体製造に不可欠な材料としてマスコミも報道していましたね。
最先端半導体製造では12N、つまり9(ナイン)が12個並ぶ99.9999999999%の超高純度品が必要となるそうです。
それほど高くない純度のものでは、フライパン、眼鏡レンズ等のフッ素コーティングの原料やエアコン、冷蔵庫の冷媒フロンガスの原料、ガソリン生成の触媒など幅広い用途で使われています。あとウラン濃縮でも使われます。
フッ化水素は、なぜ多くの用途があるのかというといろいろな物質を溶かす能力があるからです。
つまり非常に活性の高い材料なのです。
フッ化水素は弱酸なのですが、塩酸や硫酸などの強酸でも溶けないガラスも溶かしてしまいます。
このフッ化水素、大変便利な材料は、融点-84℃、沸点が約20℃で、通常は液体か気体の状態です。色は無色ですが刺激臭があります。
フッ化水素は人体に対して非常に危険で劇毒物に指定されています。
飲むことはまず無いですが飲んだら1.5gでお陀仏です。
皮膚に付くと火傷を負いますが、フッ化水素の場合はフッ化水素専用の薬で治療しないといけません。
治療を怠ると体内に簡単に浸透していき骨を侵し始めます。
濃度の低いフッ化水素が付着して痛みがなかったのでそのままにしていたら翌日骨が溶け始めて激痛に襲われたという実話があります。
付着した量が多い場合は血中のカルシウムと反応して低カルシウム血症を起こし、意識がはっきりしたまま心室細動を起こして死にいたるそうです。
怖いですね。