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荒ぶる父=地球
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一昔のNHKでは科学ドキュメンタリーをよくやっていました。
その中で地球の生い立ちをテーマにしたものがあって、1987年に放映された「地球大紀行」、2004年の「地球大進化」が面白かったです。
両番組とも地球が誕生してから現在に至る歴史を、放映当時の科学的知見で示したもので、前者の「地球大紀行」はどちらかというと地球そのものの歴史で、後者の「地球大進化」は生物の歴史でした。
この両番組は17年の間がありますが、この間に新しい発見や説が出ていることが分かるものでした。Youtubeでも観ることができます。
「地球大進化」では地球誕生から現在までの46億年を1年に換算しながら話が進みます。
番組の中で使用されている言葉を使えば、地球は生命を育む「母なる星」ではなく、生命に試練を与える「荒ぶる父」。
直径400km以上の巨大隕石衝突で生じた全海洋蒸発。
菌の生態バランスが崩れたことに起因すると考えられる地球全体が2000mの厚さの氷に覆われてしまう全球凍結。
全球凍結の後に起った超巨大台風。なんと中心気圧300hPa!、最大風速300mのハイパーハリケーン。
プレートテクトニクスによる大陸移動。
マントルの大規模な対流スーパープルームで起こった大噴火。
と次々と起こる大変動は、生命にとって試練を与えるまさに荒ぶる父。
生命は大変動のたびに絶滅の危機に会ってきたらしいのです。
しかし、この試練があったからこそ、生命は生き延びるための進化をしてきて、現在の私たちがいる。
幾多の大変動がなければ今の私たちはいないと説いてます。
繁栄する生命は、大変動で必ず滅びてきている。とも言っています。
この番組を観ると、すべては地球の営みに依存しており、私たちは「生かされている」と感じずにいられないのです。
地球のために。と唱えて環境活動している人たちがいますが、人類がこれから先に生き延びるために人為的な変動を抑えようとしている活動に他ならないと考えます。
そのことについて筆者は否定も肯定もしませんが、地球のためというフレーズはおこがましくて違和感を感じます。